ハイブリッドフルトレーラによる高効率輸送の社会受容性

摘要

牽引車に既存の単車を利用できることから早期実用化に向いていると考えられる．貨物車の保有台数を形状別に見ると，約246万台の普通貨物車のうち大部分が単車である．トレーラ等の被牽引車は約15万台にすぎず，その大半はセミトレーラで，フルトレーラは約5千台にすぎない．よって，ハイブリッドフルトレーラの普及は，単車からの転換が大きな鍵となる．このとき，人件費の削減，燃費の向上，輸送効率の向上などによるコストの削減が見込まれる．一方で，ハイブリッド化によりコストが発生する．特に，近年価格が下がってきているものの，電池価格は当該車両の経済性に大きな影響を与える．既往研究では，単車の大型化に比べてフルトレーラへの転換が進んでいない要因や，転換時のコスト削減効果について言及されていない．そこで本研究では，当該車両の社会受容性を分析する．まず，アンケート調査をもとに，ハイブリッドフルトレーラの普及における課題を明らかにする．そして，1）単車，2）従来フルトレーラ，3）ハイブリッドフルトレーラ，の3車種において，運送原価を算出して経済性を比較考察する．