インフラ協調安全運転支援システムを対象にした表示インターフェイス（第5報）－右折待ち停止中に2種類の視聴覚表示が提供される状況を対象にした検討

摘要

前報では，自車が「走行中」に2種類の異なるメッセージが同時に提供される状況を対象にして，視聴覚表示による情報伝達方法を検討した．その結果，衝突の可能性のある事象が解消されていないにもかかわらず，その情報を消して別の情報を視覚表示により呈示すると，ドライバは衝突の可能性のある対象物が消失したと誤解し，速度をあらかじめ低下させなかったため，回避操作としてのブレーキ最大踏力が大きくなることが示された．また，2種類の情報を視覚表示により同時に提供する場合には，表示画面を分割して重要な情報をより目立つ色で修飾することが，機能への適切な理解促進のために有用であることがわかった．ここで，前報では，自車が走行中の場合を対象としたが，自車が停止中の状況では，視覚表示を旦る時間的余裕が比較的大きいことから，走行中とは異なる情報伝達方法の考え方が必要と予想される．そこで，本研究では，自車が右折待ち「停止中」に，2種類の情報が提供される状況を対象にして，視聴覚表示による情報伝達方法を調査した．