弱酸件カラーにおける茶カテキンを応用した毛髪染色制御

摘要

酸化染毛剤は美容室で行われる毛髪の染色にお いても広く使用されており，これらを安定に染色 させる研究のこ－ズは大きい。一般に，既染毛部 に対して使用される弱酸性ヘアカラー（ノンアル カリカラー）の酸化染毛剤では，特に灰味がかっ た青のような寒色を呈する染料において，激しく 損傷した毛髪の毛先部位でそのほかの部位よりも 濃く発色してしまう濃染現象が知られている（図 1）。こうした現象により染色ムラが生じやすく， 市場で弱酸性ヘアカラーの酸化染毛剤の扱いが難 しいといわれる原因となっている。一方で，こう した現象に対する有用な成分はこれまでほとんど 知られていないため，毛髪の毛先部位での濃染へ の対策方法は乏しいのが現状である。本稿では， 弱酸性ヘアカラーの酸化染毛剤において，損傷度 が激しい毛髪の毛先部位に起こる濃染を抑制でき る成分の探索を行い，その1つとして茶カテキン を見いだしたので，その有用性の評価について詳説する。