水素社会に向けた水素製造·貯蔵·利用技術の現状と課題及び展望（そのⅡ）

摘要

現在，世界各国において燃料電池車用水素インフラの技術開発や実証試験が行われている。 水素燃料電池車を社会に普及させるためには，自動車の開発だけでなく，水素インフラの整備が必要である。国内で短期に利用できる水素源としては，化石燃料の改質，水の電気分解，バイオマス·廃棄物の発酵やガス化による水素，製鉄所のコークス炉精製水素や食塩電解工場から発生する副生水素，石油業界精製水素などがある。 これらのうち，利用できる可能性のある副生水素発生量は食塩電解工場で12億Nm~3／年，コークス炉工場で53億Nm~3／年と推定されている。 両者を合わせた年65億Nm~3は500万台の燃料電池車に供給可能な量に匹敵している。