最近の型技術の動向（27）金型用材料--金型用超硬材料

摘要

超硬合金は、工具鋼やダイス鋼に比べて高硬度で摩耗しにくいことに加え、弾性変形や塑性変形も生じにくく、また、熱を逃がしやすく熱膨張率も小さいので、高応力化や熱サイクルのかかる環境下での寸法変化が小さいという特長があり高精度の要求される金型分野で評価されている。しかし、一方ではワイヤー放電加工により腐蝕や亀裂が発生するといったデメリットもあり金型用途向けとして専用超硬合金の開発ニーズが高まってきている。 以下に金型材料としての最近の超硬合金の開発動向、特にワイヤー放電加工による亀裂が生成しにくい超硬合金開発への取り組みを紹介する。