最近の型技術の動向（最終回）金型の寿命向上--夕イカスト金型の熱疲労特性と寿命評価（その2）--

摘要

ダイカスト金型の熱疲労挙動や表面処理金型鋼のヒートチェック挙動とその対策について、管理技術の重要性と評価技術の必要性を述べてきた。 近年、これらの技術の重要性が認識され、日本では（社）日本熱処理技術協会「熟間工具材料の表面層の改善研究部会」，アメリカではオハイオ州立大学で「The Group for Increased Life of Dies（GILD）」の研究会、中華民国（台湾）では金属熱処理学会「ダイカスト金型の寿命改善研究委員会」およびヨ一ロツバ諸国等において、これらの研究テーマに関心を持つ委員会や研究団体が活発に活動をしている。国内ではダイカスト金型および鍛造金型等の型寿命に関する研究が、（社）日本熱処理技術協会、日本ダイカスト協会、型技術協会等の関連学会。 協会および関係する企業等において、現在でも各種の検討がなされている。 特に、（社）日本熱処理技術協会における「金型のヒートチェックに関する研究ユユノ」、素形材センターでの「熱間工具材料の表面層の改善」および型技術協会では、「熱間金型の寿命改善委貞会」等があり、各種の研究テーマにより、時代の要求に応じた機究活動を行ってきている。この研究部会には大学、公立機関、民間企業の要員が参画し、金型の寿命に関する諸要因の検討や共同実験が進められ、後者の研究部会における研究成果は各所属において公表されている。 これらの成果と各領域における研究成果が相互に融合され、ダイカスト金型の寿命に関する多くの問題点が今後、解明されるものと考えている。 更に、これからのダイカスト金型の寿命安定化に開連した技術の発展に基づき、今後期待できる技術領域としては、表面改質技術の進歩に伴い、従来からの処理技術の高機能化?高付加価値化、新処理手法の開発、複合処理および金型の補修技術並びに寿命評価技術の統一化等が考えられる。 終わりに、金型関係技術の国際化が進むなかで、諸外国におけるこれらの活動が大きな成果を得て、更に技術の国際交流が促進されることを期待したい。