水素貯蔵機能の観点からの炭素系材料の物性研究--これまでの実驗や理論·シミュレーション，そして今後の展望

摘要

炭素系材料において，水素貯蔵機能に適した弱い化学吸着（結合）ポテンシャルの生成が可能となれば，高性能な軽量水素貯蔵物質の設計も可能となるであろう。 水素量の体積密度も検討した上で，このような軽量水素貯蔵物質を設計すれば，燃料電池自動車やオンサイト発電·コジェネシステム，さらには情報通信用システムのためのバックアップ電源用燃料電池など，多くの応用展開が可能となり，その波及効果は計り知れない。 今後の研究の進展がおおいに期待されている。 水素貯蔵機能の観点からの炭素系材料のレビューとしては，Hanzawaら，Sonedaら，DillonとHeben，Cheng，MeregalliとParrinello，およびZuttelとOrimoの文献などもご参照いただきたい。 本研究の一部は，平成13年度NEDO産業技術研究助成事業費およびCOE（13CE202）形成基礎研究費を受けて行われた。