医療機器と材料/4．人工透析装置（人工腎臓装置）とその構成材料

摘要

人工透析（人工腎臓）は，腎不全患者から取り出した血液をダイアライザ（透析器）に送り，体外で血液を浄化した後，体内に再び戻す治療法である。 ダイアライザでは, 中空状の透析膜の内側を血液が，透析膜の外側を透析液が流れており，拡散や濾過の原理を利用して，血液から老廃物や水分の除去をおこなっている。人工透析治療が技術的に安定し，腎不全の治療法として有用なものと認識され，日常の医療となって約30年になる。 日本透析医学会統計調査報告によると, 1999年12月31日現在, 慢性透析患者数は197，213人であり，前年に比べ11，891人増加し，依然増加傾向にある。 透析施設数は，3，220施設（135施設増4．4％増），透析装置数75，448台（5，715台増8．2％増）となっている。