ここまできた 分析·解析技術：II.製造プロセスのための分析技術－2.圧延·表面処理(2)表面処理

摘要

冷間鍛造、特に強加工する塑性加工用潤滑処理にはリン酸塩処理が多く使用される。 リン酸塩処理は従来、防錆ニーズに対応して開発された技術であったため、油分保持を可能にするための厚い皮膜が求められた。 しかし、塑性加工用潤滑処理の場合、密着性の高い薄い皮膜が求められ、且つ、加工に対する潤滑性を維持するための膜厚が必要になることから、皮膜量を最適·一定量に調整、管理することが重要となる。 リン酸塩処理は、ボルト等の部品において、焼入加熱時にリンが鋼材内部に侵入し、遅れ破壊を促進するため、特に高強度ボルトにおいて重大な問題となっている。 また、リン酸塩処理は鉄をエッチングして皮膜を形成させる化成反応であるため、液中に大量のスラッジ（リン酸鉄）が発生し、環境保全面からスラッジ低減ニーズは高い。 現在、リン酸塩処理に替わる潤滑皮膜の開発（無リン皮膜等）がさかんに行われているが、その潤滑性評価方法については定量的評価方法が確立されていない。 今回は特殊鋼棒鋼線における『皮膜管理方法』と『皮膜評価方法』について紹介する。