都市環境下における2.4GHz帯屋外無線システムによるストリーミング映像配信の品質評価

摘要

近年，無線LANシステムが普及してきており，学校や企業でのビル間ネットワークの構築などにも用いられている．現在，無線LANで最も普及しているIEEE802.11bで使用している2.4GHz帯は，ISM機器や他の同じ周波数帯を用いる無線LANシステム等による電波干渉により，通信品質が低下する可能性がある．一方，近年のアクセス網のブロードバンド化により，映像や音声等の大容量で，広帯域なネットワークを利用したアプリケーションが普及してきている．筆者等は工学院大学新宿キャンパス，早稲田大学大久保キャンパス14号館間に構築した2.4GHz帯無線システムを用いてストリーミング映像配信を行い，配信中の映像品質測定と解析を行った．その結果，都市環境下における無線システムによる映像配信においては，パケット損失によるフレームの廃棄，映像の劣化，CSMA/CAの再送制御によるパケットの重複，再送遅延による映像の停止等が発生することが分かった．