分散アレーアンテナにおける符号間干渉を利用したサイドローブ方向不要輻射抑圧法の検討

摘要

離島や被災地などのディジタルディバイド領域でも，複数ユーザが大量のデータを送受信するために，アンテナ利得を向上させる分散アレーアンテナを提案している．分散アレーアンテナは，大開ロアンテナの利得を小閑ロアンテナ複数台組み合わせることで等価的に実現するシステムである．分散アレーは構成する各アンテナ自体がそれぞれ単体でも運用可能な程度の開口径を有している．そのため，各アンテナ間の間隔が数10波長以上となり，それに伴い主軸方向と同利得の不要輻射がサイドローブ方向で増加する問題が残されている．本報告では，各アンテナの設置位置の最適化設計法の検討を行い，送信タイミング制御と組み合わせることによって，サイドローブ方向において意図的に符号間干渉を発生させ，シミュレーションによって不要輻射の増加量を抑圧する検討を行った．3アンテナの場合に不要輻射量を4.7dB低減できていることを確認した．