シンボルペア畳込み符号の構成と最小ペア自由距離の評価について

摘要

CassutoとBlaumによって2010年にシンボルペア符号と呼ばれる新しい誤り訂正符号が提案された．シンボルペア符号では，記録媒体に保存された符号語を読み出す通信路として，シンボルがペアとなり重なって出力されるシンボルペア通信路を考える．このとき，誤りや距離の概念としてペア誤りとペア距離が定義される．Cassutoらは巡回符号からシンボルペア距離を構成することによって，最小ペア距離を大きく取れることが示されている．しかしながら，その最小ペア距離の半分までのペア誤りを訂正するような復号法を実現することは容易ではない．本稿では，畳込み符号からシンボルペア符号を構成するシンボルペア畳込み符号を提案する．またCedervallとJohannesson が与えた高速木探索アルゴリズム（PAST）を応用した高速化アルゴリズムを提案し，最小ペア自由距離の評価を行う．