低周波音による建具のがたつき始める音圧レベルについて

摘要

低周波音による苦情の半数は，建具のがたつき等の物的苦情である。 本報告は低周波音による建具のがたつきについての実験室実験について述べたものである。 実験結果は以下の通りである。 (1) 建具のがたつき始める音圧レベルは，個々の建具によるばらつきが非常に大きい。 (2) 建具のがたつき始める音圧レベルは，低周波音の周波数，建具の種類，重量取付け条件等の影響を受けるが，中でも建具の取付け条件による影響が大きい。 (3) 全てのデータについて建具のがたつき始める音圧レベルの「平均値-標準偏差」；(L{sub}(rat,ave-S.D.))を算出した。 L{sub}(rat,ave-S.D.)を昭和52年に提案された「建具のがたつき開催(1977)」と比較したところ，10～30Hz の範囲ではL{sub}(rat,ave-S.D.)は「建具のがたつき間値」とよい対応を示した。(4) 実測調査結果をL{sub}(rat,ave-S.D.)と比較したところ，物的苦情発生時またはがたつき発生時の音圧レベルのほとんどがL{sub}(rat,ave-S.D.)を上回っていることがわかった。