安価,シンプル,核不拡散性のある乾式再処理(DUPIC)技術開発とカナダAECLの活動

摘要

ウラン濃縮が商業化する前に，天然ウランを使用する炉として，カナダ原子力公社(AECL)はCANDU炉を開発し，国内だけではなく，海外にも展開してきた。 CANDU炉がユニークなために，BWR，PWRの軽水炉を進める日本とは，情報交換が十分なされなかった。 さて，今回われわれ原子力開発研究者はカナダから何を学ぶのか。 以下の2点を考えている。 (1)核不拡散性と蓄積する使用済み燃料から，DUPICを出発点とする簡易型再処理の独自開発の可能性。 これは，ロシア原子炉科学研究所(RIAR)の振動充填燃料製造を基点にもつ，酸化物燃料乾式再処理，米国ANLを中心にした金属燃料乾式再処理に継ぐ，3番目の乾式再処理方式が発展していく可能性である。 (2) AECLという，国の研究機関が国内外に市場展開することを命題に，CANDU炉を開発してきている。 自分の研究開発費の大半を開発品の市場化した費用でまかなっている。 燃料サイクル，廃棄物処分は時間と費用がかかるものであり，日本でもこれまで以上に，国の研究機関が主導的に市場化を視野に展開することが求められる。