「ヒューリスティックな最適化手法とモデリング」の開始にあたって

摘要

ユーザにとって理解が平易でしかも性能がある程度優秀なヒューリスティックな手法を，原子力分野の最適化問題に適用してカスタマイズしていくことは，原子力分野の発展に有意義であると思われる。とくにいかなる自然災害があろうとも，2度と重大な事態に至らない原発システムの構築のために，本手法がロバストな構造物のレイアウト最適化に応用されることを願っている。なお，今回の第1回目は，最適化問題と手法を理解するために必要な基本的な知識の確認であり，本解説の本題には至らないものであるが，その内容は大学2·3年生を対象とした「最適化」に関する教科書の冒頭の部分をさらに丁寧に解説してあり，大学入学時点の数学の知識ないしは大学1年で習得する数学の知識で十分理解していただけるものと信じている。