列車：最近の車両用空気調和装置－JR東日本E231系通勤車の空気調和装置の紹介

摘要

鉄道車両の空調システムに関しては，1970年代頃より急速に普及し，現在では，寒冷地を除き，冷房化率がほぼ100％となっている．導入当初は冷房感·暖房感があれば乗客の満足が得られたものであるが，最近では，利用客に快適な空間を提供する重要な要素となっている．しかしながら，快適な空間は，利用客個人の体感により種々異なっている．したがって，できるだけ多くの利用客に快適空間を提供するため，空調システムに関して車内の温度環境均一化，および乗車率，乗り降り時の車内負荷変動に対する制御の追従性を向上させることに取り組んでいる．ここでは，山手線に代表されるJR東日本向けE231系車両に搭載されている空調システムを事例とした，最近の空調装置のシステム構成，制御内容，および人への空調への取り組みを報告する．