機上計測技術とその活用：レーザ活用による機上計測の高度化

摘要

加工後の形状計測には先端が球状のタッチプローブを用いることが多い。 しかし加工誤差を有する三次元自由曲面形状を対象にした計測では，プローブ球の工作物との接触個所を正確に特定することは難しいのが現状である。 一方，スピンドル軸に同軸でレーザ光を照射するレーザスタイラスではプローブ球半径補正に該当する処理が必要ない利点を有するため，マシニングセンタの機上計測に適したレーザ計測システムの開発が行なわれてきた。 これらの報告では金型などの金属加工面においても受光素子の配置を工夫することなどスタイラス自体のハード面の改良により計測精度の改善を実現している。 これらのハード面の改良手法では，レンズ光学系の複雑化や受光素子数の増大などの問題点を残していると考えられる。 ここでは，汎用的なレーザスタイラスを用いたマシニングセンタの機上での三次元自由曲面の測定を対象とし，ソフト的な機能である数値制御機能を活用した自由曲面のポイント形状の計測に適したスタイラスの走査制御法を紹介する。