最新切削工具：高品位で長寿命を実現したCFRP用ドリル「クリスタルダイヤコートドリル」

摘要

近年、日本における航空機産業の伸展が著しく、この分野の切削工具に注目が集まっている。その多くは難削材加工用の工具であり、航空機部品に使用される耐熱合金や航空機の機体に使用される炭素繊維強化プラスチック（CFRP）がその代表例である。CFRPは、金属材料と比較して、軽量かつ高強度であり、耐摩耗性、耐腐食性、耐伸縮性に優れており、航空機機体の主要強度材として使われている。また、アルミニウム合金も比強度が高く軽量で耐腐食性があるため、機体の内部にはCFRPとアルミニウム合金とを結合させる部分も存在する。今後、航空機産業の需要増加に伴い、それらの加工には、益々高精度かつ高能率化が求められることは必至である。本稿では、“高品位で長寿命”なCFRPの穴あけ加工に最適な「クリスタルダイヤコートドリル」を紹介する。図1は、クリスタルダイヤコートドリルの外観写真である。