逆浸透膜法による廃棄物最終処分場の浸出水処理システム

摘要

最終処分場の逼迫と共に、廃棄物のリサイクル、埋立容量の減容化を目的とした焼却処理が進められているが、焼却残漆の埋立て比率の増加と共に最終処分場浸出水の水質は大きく変化してきており、従来の生物処理を主体とした水処理プロセスのみでは、周辺住民の意向を満足させることが困難となってきている。 特に浸出水中に高濃度の無機塩類が含まれることから、放流先の塩害問題が取り上げられ、塩類除去が重要な課題となってきている。 更に近年では、ダイオキシン類（DXNs）、環境ホルモン（EDCs）等の難分解性微量有機物質の環境への影響が懸念されており、高度な処理技術が求められている。 当社では、平膜タイプで汚染等による膜の目詰まりが発生しにくいRO膜モジュール、「DTモジュール」を用いた実証実験を1995（平成7）年より実施し、シンプルなプロセスで、浸出水中のBOD、COD、窒素はもちろん、塩類やダイオキシン類（DXNs）、環境ホルモン等の処理も可能であり、処理水を天然水並まで浄化可能であることを確認した。 また、高圧運転が可能な膜モジュールとの組み合わせにより、濃縮水を原水に対して、5％程度（高い回収率）とすることができた。その結果、1999（平成11）年には国内1号機を茨城県の下妻地方広域事務組合殿に納入した。