太古の木製ねじから使用拡大一途のボールねじまで（28）－鉄,セラミックス,プラスチック製のねじ その2：セラミックス製ボールねじの試作

摘要

1980年代，マスコミがセラミックスを各種機器の構造材として，また機能材として万能のような取扱いをした時代があった．例えば，レシプロエンジンの大部分が，鋼やアルミ合金からセラミックスにとって代わるような報道もあったが，マスコミ報道には大きい注意しなければいけないことを学ばされた．陶磁器もセラミックスであるが，ここでいうセラミックスは，「ファインセラミックス」または「エンジニアリングセラミックス」を指し，「高度に精選された原料を用い，精密に制御された技術により製造·加工され，よく設計された構造と優れた特性を持つセラミックス」をいう．ここで，1990年前後に，筆者はオールセラミックスのボールねじ，締結用ねじを試作し，構造材としてどうか検討した．本報では，ボールねじ開発研究について述べさせていただく．