回転機械の振動（16）－第9章 歯車を含む回転軸系のねじり振動 その2

摘要

歯車にはバックラッシが存在するので，軽負荷運転でねじり共振を生じると，歯面分離が発生しやすい．歯面分離が生じると，歯車を含むねじり振動系はガタをもつ非線形系になり，系の固有振動数は振幅の関数になって，共振曲線（振動の応答曲線）の形は複雑になる．ガタを考慮した系の固有振動数解析は一般に困難になり，多くの場合，系の強制振動応答を数値解析することになる．ここでは，図9.7に示すバックラッシδをもつ一対の歯車からなる系が，一定の負荷トルクT_qを伝達しつつ，角速度ので変動する加振トルク（振幅孔）を受ける場合の強制ねじり振動について説明する．両歯車の慣性モーメント，回転角，基礎円半径をI_1，I_2，θ_1，θ_2，r_1，r_2とし歯面荷重をfとすれば，系のねじり振動の運動方程式は次のように書ける．