日本における再生可能エネルギー発電の現状（3）－再生可能エネルギーの固定価格買取制度の現状

摘要

一方で，民間の動きとしては再生可能エネルギーを始めとした発電事業，特にメガソーラーへの参入に向けて，株主総会で定款を変更する上場企業が相次いでいる．これは，再生可能エネルギーの固定価格買取制度が大きなビジネスチャンスを引き出すと捉えての企業行動であり，発電とは直接無関係な異業種においても発電事業への新規参入の動きが広がっている．また，大手銀行のみならず地方銀行でも医療·介護·健康，環境·再生可能エネルギー，農林魚業，社会インフラなどを将来の成長分野と位置づけており，融資の強化を進めている．以上からも明らかなように，導入された再生可能エネルギーの固定価格買取制度は，再生可能エネルギー普及の仕組みの中核となるものであり，本稿ではその概要と問題点等についてまとめる．