中国·韓国の自動車産業発展経緯と日中韓の部品相互依存および競争力変化

摘要

前回、中国の外資系自動車メーカーで現地調達がかなり進展していることをお伝えした。近年のアジア、特に中国と韓国の自動車産業の発展ぶりには目を見張るものがある。韓国は自動車品質で日本車と同等に評価されるようになり、中国は自動車生産数で世界一となった。競争力のある自動車製造のためには、良質な自動車部品が不可欠である。中国、韓国の自動車産業のキャッチアップが進む中、自動車部品の競争力はどのようになっているのだろうか。そこで今回はまず、中国と韓国の自動車産業の発展の経緯を概観し、さらに自動車部品の代表的な貿易コードであるHS8708 について、中国·韓国·日本の自動車部品相互依存と競争力の変化を分析したい。貿易統計は国連商品貿易統計データベース（UN comtrade）のデータを用いた。国際競争力の分析には「貿易特化係数」を用いた。「国際競争力係数」や「輸出特化係数」とも呼ばれる。貿易特化係数の値は-1から＋1までの値をとるが、-1に近づくほどその商品の国際競争力が弱く、＋1に近づくほど国際競争力が強いと見なせる。