超硬合金の切削条件の最適化研究

摘要

当社は超硬合金素材およびその関連製品を製造販売している。その用途は多岐にわたるが、顧客からの寿命延長の要求に応えるため新しい材料を開発し市場に供給してきた。しかし一方では、超硬合金強度の向上により、これを加工する工具の寿命が短くなり、顧客である金型加工メーカーなどの工具消耗コストが上昇する結果となった。2011年より金型メーカーと高等専門学校との共同研究という形式で、切削条件の最適化について研究する活動を開始し、土具消耗コストを削減することに成功した。この研究は比較的短期間に成果をあげることができたのだが、その理由は評価方法にある。切削加工条件を電力で評価した事例が品質工学会では報告されているが、このときの評価でその有用性を確認した。その後も継続して新しい条件や切削工具の性能比較を電力で評価している。ここでは、電力で評価することの考え方、実例、品質特性との関連性について述べる。