切削による微細形状加工：ダイヤモンドコーティング硬脆材加工用ドリルによる硬脆材料の小径穴加工

摘要

近年、IT関連技術の高度化に伴い、各種装置や機械の性能や耐久性を向上させるべく、耐摩耗性や耐熱性を高めた材料の適用が広まっている。例えば、半導体製造装置に用いられる治具や部材などに使用されるアルミナやジルコニアなどの燒結後のセラミックスやガラスがその一例である。 それらの硬脆材科の加工方法には、放電加工や各種レーザー照射加工、ブラスト加工、超音波加工があるが、一般的に加工精度の点や設備·設定が特殊である点が懸念されている。そのため、穴あけ加工においては一般のマシニングセンタでダイヤモンド工具を用いて行われている。各種ダイヤモンド工具のうち、電着ダイヤモンド工具は短寿命でかつ寿命のばらつきが大きいこと、ダイヤモンド焼結体工具や単結晶ダイヤモンド工具は高価であるうえに突発の折損などが発生することが問題となっている。 安価で安定した加工を実現するために、当社では焼結後のセラミックスや石英ガラスなどの硬脆材料の穴あけ加工に最適な「ダイヤモンドコーティング硬脆材加工用ドリル」を商品化した。 図1にその外観写真を示す。 本稿ではその特長と小径穴加工性能について紹介する。