超高速小型スピンドルを用いた小径工具の切削負荷特性

摘要

最近、多くの分野で小径エンドミルを用いた超微細·精密切削加工の要求が高まり、その特性を十分に発揮できる主軸が望まれている。 小径エンドミルを用いた切削加工で、高精度化や高生産性などの実現要求に対し、10万回転を超える高速化による効果は大きい。特に、加工面の精度向上を図るために刃物の微小切込みを行うと、加工面精度は向上するが加工長の増加により長時間加工が必要になる。 しかし、一定の一刃当たりの切込み量を保ったまま高速回転で高送り速度とすれば、単位時間当たりの切削容積を増加させるメリットがある。 さらに、高速回転により切りくずの剪断角度が大きくなると切削抵抗の減少が見込まれる。 したがって、加工負荷による工具の曲げ抵抗に対し、小径工具の低い剛性でも良好な加工が可能となり、工具摩耗の抑制、さらには短時間加工など大きなメリットが期待できる。 そのため、高速回転·浅切込み·高送り速度による高速切削をいかに効果的に実現するかが重要なファクターであり、小径工具の利用を目的とした「超高速小型エアー軸受タービンスピンドル」を開発し（図1）、高速切削中の負荷特性を回転検知センサによりモニタリングすることで、その効果と有用性について検証を試みた。