高速加工·多軸加工周辺の最新技術：切削能力を最大限に引き出す新荒加工テクノロジー

摘要

同時·割出し5軸加工が金型および部品削り出し加工に適用され始めた背景には、機械側、特にNCコントローラーの進化とCAMの性能向上が起因していると思われる。 また、ユーザー側も独自のノウハウを積み上げアイデアと工夫を重ね、機械と工具とソフトウェアだけでは対応できない部分を補完してきた。 これにより、5軸加工を特殊な加工方法ではなく、機械加工の1つの手段として、特定分野においては、効果を上げ始めている。しかし、5軸加工データ作成準備時間や実加工時間の増大、加工段差の発生などの課題も浮き彫りになってきている。現在、われわれが注力して対応を進めているのが、この課題の中でも大きな要因の1つと思われる“切削負荷”に対するソリューションである。 同時5軸加工や割出し固定5軸加工において、切削負荷が不安定な状態では加工段差や工具·ワークのびびり、それに伴う工具寿命の低下や加工時間への影響などが顕著に表れる。 昨年リリースしている切削負荷一定の加工を実現している「TrueMill（トゥルーミル）」をさらに進化させた最新荒加工テクノロジー「RapidRough（ラピッドラフ）」の概要を紹介しながら、これらの加工方案に対応した高速加工·多軸加工対応CAM「SURFCAM Velocity II」（図1参照）についてまとめる。