CAMシステムにおけるデータ処理：（第5回）B-mapデータ構造に基づくデータ処理

摘要

前回はオフセット面を高速に生成することができる逆オフセット法について，基本原理と長所短所を紹介した．逆オフセット法は工具形状に制限がなく，処理アルゴリズムが簡潔であるため，干渉チェックを含めた高速なオフセット面の生成が可能である．前回説明したように，逆オフセット法で用いられる形状モデルは，一般に形状を離散化して表現するZ-mapデータ形式が用いられている．この形式はデータ形式が簡単であるため，処理を高速化できる長所をもつ一方で，形状の表現精度の問題をもっている．Z-mapでは精度を向上させるためには格子間隔を小さくしなければならないが，このことは必要なメモリ量の増大と処理時間の増大を招くこととなる．