P2P動画共有システムにおけるMultiple Secret Sharingを用いたコンテンツ不正利用の低減手法

摘要

YoutubeのようなCGM型動画共有サービスは，昨今のインターネットにおけるキラーアプリケーションサービスの一つである．CGM型動画共有サービスでは，そのトラフィックの多さから，大容量のコンテンツ配信に適しているP2Pでのサービス展開が適している．しかしP2Pでは，ユーザによってアップロードされた非合法なコンテンツへのアクセスを制御することが難しい．我々はこれまでに，動画を暗号化してP2Pで配信し，その復号鍵をShamirの秘密分散法で分散し，各ノードで共有するシステムが提案したが，Shamirの秘密分散法では，新たなコンテンツを追加する際に，分散した復号鍵を各ノードに毎回配信しなおす必要がある．そこで本稿では，コンテンツ追加の際に各ノードが持つシャドウと呼ばれる分散情報を更新せずにコンテンツ復号鍵を共有することができる，Multiple Secret Sharinglを用いた手法を提案する．