現場に役立つ電験問題の解き方（28）自動制御⑧

摘要

これまでの自動制御は，時間領域や周波数領域での1入力，1出力系を解析する古典制御理論が主であったが，制御系の複雑化に伴い，新しい概念が必要となった．そこで，状態空間（state space）という概念を導入することにより，時間領域での多入力，多出力系の解析ができるようになった．これを現代制御理論という．古典制御理論では，伝達関数や入力と出力の関係だけに着目したが，現代制御理論では，入出力関係だけでなく，内部状態を表す状態変数（state variable）を用いて状態方程式（state equation）という表現の仕方をする．これにより，時間領域での多入力，多出力系の解析を行う．