末梢および血管分岐部で生じる反射波が血圧波形に与える影響

摘要

ヒトの動脈内において中枢から末梢にかけて血管内圧が上昇するピーキング現象，立ち上がりが急峻になるスティーブニング現象が生じる．また，体外循環を行った場合中枢から末梢にかけて血管内圧が低下する圧較差現象が生じる．我々はすでにこれらの血圧波形の変形が血管の半径方向の非線形性と長軸方向による弾性率分布が深く関与していることを報告した．しかし，血液の循環は脈波と呼ばれるように波としての特性を有するため末梢および血管分岐部からの反射波の影響を無視することはできない．本稿では血管モデルを用いて反射波が血圧波形に与える影響を実験的に報告する．