リチウムイオン電池材粒の現状と将来展望

摘要

リチウムイオン電池市場は，1990年代より小型ポータブル機器の需要増加と共に急成長を遂げた。1990年代後半には携帯電話端末が最先端機器としてもてはやされ，その後，インフラ機能としての役割も担うようになり，現在はなくてはならない機器となった。その陰には，携帯電話端末の電源としてリチウムイオン電池が支えてきたこともある。これまで，リチウムイオン電池が使用される用途は，携帯電話やノートPCといったポータブル小型機器がメインであり，用途に応じて電池設計がなされてきた。例えば，携帯電話やノートPCには軽量化と長時間稼働が求められるため，電池にも小型·高容量が必要であり，高エネルギー密度化が要求される。また，充電時間を短縮させたいというユーザニーズにより，高速充電が求められる。そのため，これまでのリチウムイオン電池はポータブル機器搭載に適した技術が発展してきたと言える。