粉体塗料における低温焼き付けタイプの開発と未来展望

摘要

環境問題に対する関心が年々高まっており，工業塗装分野においては，VOC削減のために溶剤型塗料から，ハイソリッド溶剤系，水系，粉体への切り替えが活発に行われている。一方で，地球温暖化の一因であるCO2の削減を進めるためには，塗装後の焼き付け硬化工程におけるエネルギー消費を抑える必要がある。粉体塗料はVOCを含まないことから，VOCに関しては，究極の環境対応型塗料といえる。しかしながら，焼き付け温度が170～200℃であり，ほかの環境対応型塗料と比較して高いことから，粉体塗料の採用にブレーキをかけてしまっている。