分散機器·装置の活用

摘要

ビーズミルにおいて理想的な運転条件とは，すべての原料粒子がグラインディングメディア（ビーズ）による機械的負荷を，均等な強さと頻度（ミル内滞留時間）で受けることであり，それによりミルから出てきた処理物の粒径が，均一に処理されて要求レベルに到達していることである。 しかしながら，この理想的な条件は，従来のビーズミルでは起こり得ないと言える。 それは，ダイノーミル（第1図参照）のようなアジテーターディスクを採用している機種の場合,各ディスク間で個々のビーズに与えられる運動ェネルギーが一定ではないため,処理物の粒子が受ける機械的負荷が均等にならないことと,処理物のスラリーの流れにおいて，出口方向へのショートパスと入り口方向への逆戻り現象（バックミキシング）が常に起こっているからである。 ビーズミルにおいては，処理物の完全なプラグフローは得られないため，ミル滞留時間はある範囲の滞留時間分布ということになる。