粉体塗装システムの最新事例と評価

摘要

日本で初めて工業的な静電粉体塗装が登場したのが1968年と言われ，35年が経過しようとしている。 しかし，欧米の主要工業国と比較して，日本の粉体塗装の採用比率は伸びていない。世界全体と日本における,1990年と2000年の粉体塗料の出荷量を比較し，10年間のその伸びを見てみると，世界全体の268.2％に比べて，日本は141.1％と非常に低い数字になっている。 欧米での粉体塗料の採用は早くから活発であることは周知のことだが，最近ではアジア地区での採用も加速化しており，特に中国での伸びは著しく，粉体塗料の出荷量は日本の3倍強にまで増えてきている。 日本における粉体塗装の伸びが低い要因として考えられることは①色香え性に劣る（色香え時間が長い，特殊な色の塗料の入手が困難）。 ②他国に比べて，美粧等における塗装品質基準が高い。③先進諸国に比べて,環境対応等の規制の整備が遅れている。 などの理由が挙げられる。