自動車用塗膜の機能性と美粧性から見た技術開発の動向

摘要

近年,国内の自動車用塗料に求められるキーワードに環境対応,商品力，コストパフォーマンスが挙げられる（第1図参照）。環境は，欧州で主流となっている水性塗料が，日本の自動車メーカーで急速に展開されようとしている。 ホンダ·鈴鹿工場のラインでは，2000年秋に水性中塗り，水性ベースコートの導入によってVOC20g/m~2を達成したとしている。 トヨタ自動車は，2005年にVOC35g/m~2（全ライン平均）を達成するため，水性ベースへの切り替えを進めている。 そして,コストパフォーマンスは自動車の製造における設備投資抑制と省エネルギー（ブース空調エネルギーなど）が大きく寄与すると言われている。 本稿では，商品力として自動車用塗膜の機能性と美粧性を取り上げ,これらの技術開発の動向を紹介する。