新素材ダクタル~Rによる「酒田みらい橋」の建設

摘要

近年のコンクリート橋梁建設技術は、大スパン化や建設費用のコストダウンのために、波形鋼板ウェブをはじめ、トラスウェブ、また鋼製橋との複合構造などの新しい構造形式が採用される傾向にある。 また、材料としても60N／mm~2以上の高強度コンクリートの採用が一般化している。このような背景の中で、超高強度繊維補強コング）－ト「ダクタル~R（Ductal~R）」は、これまでの橋梁建設の常識を打破できる次世代の新素材として期待されている。 ダクタルを用いた新しいタイプの橋梁として、日本初となるプレストレス構造の歩道橋「酒田みらい橋」（写真－1）が、山形県酒田市に完成した。 本橋梁は、山形県が主催する「庄内地域産学官連携推進会議」内に設置された「新素材による橋梁建設技術委員会」（委員長；池田尚治横浜国立大学名誉教授）により、設計·施工方法についての技術的な評価を受けて建設された。 本報では、新素材「ダクタル」の基本的な特性と、「酒田みらい橋」の建設工事の概要を紹介する。