アルカリアースシリケートウール（AES）の熱粋性と使用後の変化について

摘要

セラミックファイバーとはアルミナとシリカを主成分とした人造鉱物繊維の中でも，高温耐用￣に優れた耐火断熱繊維の総称であり，非晶質のリフラクトリーセラミックファイバー（RCF）と結晶質のアルミナファイバー（AF）が代表的である。RCFは1988年にInternational Agency for Researchon Cancer（IARC；国際がん研究機関）の分類において「グループ2B（ヒトに対する発がんの可能性がある）」とされ，ヒトでの発がんの事例は未だないものの，人体への健康影響が問題視されるようになった。1990年代に入り，欧州を中心にアルカリアースシリケートウール（Alkaline Earth Silicate Wool；AESウール）の研究開発が進められ，今日ではセラミックファイバーメーカー各社がAESウールを製品ラインナップに加えている。AESウールには公的機関で実施した試験管実験や動物実験により生体内での溶解性の認証を取得したバイオソルブルファイバー（Bio Soluble Fiber；BSF）が含まれる。