キャスタブルのマトリックスにおける金属アルミニウム粉の水和に及ぼすマグネシアとアルミン酸カルシウムセメントの影響

摘要

異なった量（Alの量の0－4wt％）のMgOまたはCACを含む水中で40℃6時間保持した後のAl粉の水和挙動を検討し，MgOまたはCACのAl水和に及ぼす影響を考察した。 主要な水和物としてAl（OH）_3を確認した。 MgOまたはCACの存在は生成水和物は同一であったがAlの水和速度を促進した。 MgOまたはCACの少量（例えば，0.25wt％）の水への添加でもAlの水和を促進し，添加量を4wt％に増やすと，水和の程度は劇的に増加した。 それらの結果として2つの原因が考えられる。 ひとつは，MgOまたはCACの存在によるより塩基性の溶液が通常のAl_2O_3のフイルムと初期の水和物の溶解を促進し，保護層の厚さ減少し，Alの新しい表面をさらしだすことである。 2つ目としては，MgO，CACおよびAlの水和によって放散した熱が水／Alの境界の局所温度を上げたことである。 MgOまたはCACの促進効果により，MgOまたはCACを含むキャスタブル系では最適な表面反応性を持つAlを最適量使用する必要がある。 一方，この促進効果は，AlのMgO-Cキャスタブルの酸化防止剤としての使用をより困難とするため，Alの水和抵抗を改善する技術を開発する必要がある。 Alの水和促進は,MgOまたはCACの水和に悪影響を与え，例えば，キャスタブルの硬化挙動に影響するかも知れない。