セメント製造プロセスと耐火物への期待

摘要

セメントの製造には，多量のエネルギー（燃料，電力）を消費するが，日本のセメント産業は地球温暖化の問題がクローズアップされる以前から省エネルギー対策に取組んできた。 その結果，熱エネルギー面では1970年代に石炭転換を果たし，また湿式キルン，ドライボイラ付きキルン等から，熱効率に優れたSPキルン（サスペンションプレヒータ付きキルン）やNSPキルン（ニューSPキルン）への転換を行い，1997年度に100％転換を達成している（図1，図2）。 電力面では粉砕効率の優れたたて塑ミルや予備粉砕機を導入し，大きな省エネルギー効果をあげている（図3）。 更に近年は他産業で発生する廃棄物·副産物を原燃料として多量に活用しており，セメント産業は資源循環型社会の形成になくてはならない産業となっている。