RH真空脱ガス炉下部槽へのクロムフリーれんがの適用結果

摘要

RH用れんがのクロムフリー化を目的に, MgO-Cr_2O_3質れんがの代替材質としてMgO-Y_2O_3質れんがの実炉試験を行った結果, 以下のことが明らかになった。 a）MgO-Y_2O_3質れんがのRH下部槽への実炉適用試験の結果，その耐用チャージ数はMgO-Cr_2O_3質れんがと比較して遜色なく, 代替材質として可能性がある。 b）使用後れんが解析における化学成分, 鉱物相の測定の結果, MgO-Y_2O_3質れんがはスラグ浸潤層が薄く, 稼働面から50mmではスラグ浸潤は軽微である。 これはY_2O_3がスラグ中のCaOおよびSiO_2と反応して高融点化合物を生成し，スラグ浸潤を抑制する効果によるものと推測される。 しかし，れんがのスポーリングに起因すると思われる亀裂が発生した。 れんがの耐用向上において，亀裂, 剥離対策が今後の課題である。