新しい始生代花崗岩類の分類法-西オーストラリア州，イルガン地塊を訪ねて

摘要

先カンブリア地境には苦鉄質火山岩類（"グリーンストン"）と共に，一般にTTG（トナル岩－トロニュム岩一花崗閃緑岩）と通称される花崗岩類が広く分布する。これらは，従来，貴人するグリーンストン帯の火山岩類との野外関係や片麻状構造の有無などに基づき，たとえば槽曲時貴人片麻状花崗岩類，袴曲後期買入花崗岩渠，袴曲後買入花崗岩類などと分類されることが一般的であった（例，石原ほか，1998）。 その後，年代測定が普及し，見かけの変形構造と買入活動との間には単純な時代的関係が得られないことが判明した。 すなわち同様な性質を持つ花崗岩類が異なる年代を持ち，様々な変形を受けている。また近年の機器分析装置の普及により，花崗岩賓の化学分析値が容易に得られるため，新しい花崗岩類の分類が化学的性質に基づいて提案されている。 ここではそのような一例として西オーストラリア州のイルガン地塊（Yilgarn massif）の例について示そうと思う。