新シリーズ「水文環境図」の紹介

摘要

平野部の第四紀堆積層は，わが国では主要な地下水賦存層を構成している。 また，平野部は多くの人間の生活·生産活動の中心でもあることから，水資源としての地下水の開発·利用が盛んに行われている。 このような開発に伴い，揚水の過剰な地域では地盤沈下が起こり，臨海部では地下水の塩水化が問題となっている。 これらの諸問題の発生を予防し，地下水資源を適切に管理·利用していくためには，地下水の賦存形態のみならず流動系を把握することが重要である。地質調査総合センターの前身である地質調査所では、主に地下水の賦存量を表現した計41地域の「日本水理地質図」シリーズが刊行されてきた。 この内容を見直し，地下水を含む水文環境を流動や質に重点を置いて新たに編集·出版することになったのが「水文環境図」シリーズである。