岡崎の花崗岩を巡って

摘要

このたび第5回ハットンシンポジウムが開かれた豊橋市から岡崎市にかけての愛知県南部は中部地方領家帯の一画を占めており，白亜紀花崗岩類が広く分布しております。その中に少量の柘榴石を含む白雲母-黒雲母花崗岩があり，武節花崗岩と呼ばれております。 このようなアルミナに過剰な花崗岩は，例えばオーストラリアのラクラン褶曲帯ではSタイプ花崗岩として広く知られておりますが，我が国では珍しいものです。この機会に開催地域の代表的岩石として紹介したいと思います。 岡崎は徳川家康の生誕の地として知られるほか，茨城県の真壁，香川県の庵治と並び，石材としての花崗岩の日本三大産地の一つに数えられており，「石部岡崎」と呼ばれています。