Li空気二次電池正極を指向したランタンマンガナイト系空気極触媒の創製

摘要

Li空気二次電池（LAB）は、理論的には正極の放電容量に制限がなく、従来のLiイオン二次電池に比較して安価な材料で構成可能であるが、充電時の過電圧が大きいことや、これによる正極のカーボン担体の酸化劣化などが問題となっている。本研究では、触媒としてカーボン担持La_(0.6)Sr_(0.4)MnO_3 （LSM）をモデル触媒とし、カーボン担体の種類を種々変えることで、それらの触媒活性と酸化腐食耐性のバランスについて評価し、LABに適したカーボン担体の検討を行った。また、その上で最適なカーボン担体として判断した径の細いカーボンナノチューブ（φ20-30nm）について、Mnサイトの一部を異種元素置換したLa_(0.6)Sr_(0.4)Mn_(1-x)B_xO_3 （LSMB_x, B＝Fe（F），Co（C），Ni（N））を種々合成し、LABの放電（酸素還元）及び充電（酸素発生）反応に及ぼす効果について検討した。