可変長染色体GAを用いたLDPC符号の最適化設計システムの改良

摘要

1996年の再発見以降，LDPC (Low Density Parity Check)符号は，その高い誤り訂正能力により，注目を集めている．個々のLDPC符号は検査行列と呼ばれるバイナリ行列（0と1だけを要素とする行列）により定義されるが，検査行列の系統的な構成方法（特にハードウェア実装を想定した構成方法）が知られていないことが，実システムへの応用のボトルネックになっている．そこで本稿では，可変長染色体GA (Genetic Algorithm)を用いたLDPC符号の最適化設計システムを提案する．本提案システムの特徴は，（1）LDPC符号のハードウェア実装を想定した検査行列の探索を行うこと，（2）可変長染色体GAを用いた多目的最適化を行うことの2つである．本稿では，提案システムの構成について説明し，提案方式の有効性検証結果を報告する．