製作誤差が四円弧軸受の力学的静特性に及ぼす影響－製作誤差により軸受下部にあるすべり面の位置が変化した場合

摘要

多数の部品を一定の管理技術のもとで製作した場合，実際に加工された部品の寸法は，目標とする寸法に対してばらつきを示す．実際の部品寸法は製図上で示した基準寸法（呼び寸法）とは異なり製作（加工）誤差を生じる．従って，部品を組み合わせて製品をつくるためには，実際の部品寸法を許し得る範囲内に制限する必要がある．国際標準化機構（International Organization for Standardization：ISO）により制定された国際規格および日本工業規格（Japanese Industrial Standards：JIS）では，軸と穴のはめあいの状態を表示するために，基準寸法に対する公差域の位置と寸法許容差を規定している．油潤滑されるジャーナル軸受は，舶用タービンやコンプレッサ等の産業用回転機械の軸に作用する軸直角方向荷重を支持する軸受として広く使用されている．同軸受は，軸受面の一部に給油溝もしくは給油孔が設けられており，これらを通して外部よりしゅう動面に潤滑油が供給される．