新規なフラーレンーポルフィリン複合体の合成および光学的性質

摘要

C_(60)は非常に効率的な電子あるいはエネルギーの受容体であり、近年では共有結合により電子またはエネルギーの供与体を結合させた分子の創製が注目を集めている。 このような分子は光合成反応の反応中心のモデルとして、また医薬への応用の面から見ても興味深い化合物である。 ポルフィリン骨格とC_(60)との結合様式として、（a）様々なコンホメーションをとることのできるスペいサ匝を利用する、（b）コンホメ匝ションの規制されたスペーサ山を利用し、ポルフィリンとC_(60)の空間的位置を遠くする、（c）ポルフィリンをC_(60)に覆いかぶせた形で固定する、といった三つのタイプが考えられる。