非平面芳香族化合物.3.バッキーボウルの新規な合成法--[7]-,[8]-,[9],(2,7)ピレノフアンの合成、構造、および反応

摘要

フラーレンの発見以来、非平面構造を有する芳香族性化合物が注目を集めている。 最安定コンホメーションでフラーレンの部分構造および非平面構造を有する化合物は「バッキ山ボウル」と呼ばれ、この歪んだ構造を作り出すためには五員環の存在が不可欠である。 通常バッキーボウルの合成は、平面構造を有する化合物の縮環反応を利用して合成されるため、利用できる基質および反応が限られていた。そこで筆者らは、（1）平面構造を有する多環芳香族化合物を紐で結んで弓状に曲げる、（2）必要な位置に環を作り、目的化合物の骨格を作る、（3）最初に結んだ紐を外すという戦略でバッキーボウルの合成が可能と考え、検討を行った。 まず（1）の弓状構造の構築についてビレノブアン10を目的化合物として検討を行ったところ、Scheme 1.に示す方法により、弓状構造を作り出すことに成功した。 イヒ合物乱0の構造確認はX線結晶構造解析により行い、ビレン骨格の両端を比較した曲がり角は10ceの場合で80.80て芯あった.