高分子絶縁体の絶縁破壊メカニズムと評価

摘要

絶縁破壊とは，電気絶縁材料へ印加されている電圧の上昇にともない，突然大電流が流れ，絶縁が維持されなくなる現象である。この絶縁破壊が起こる最小電圧が絶縁破壊電圧，これを電極間の距離で除した値が絶縁破壊電界あるいは絶縁破壊強度であり，どちらもできるだけ高いことが望ましい。多くの電気設備の絶縁を担っている有機高分子は，とくに屋外，高温下，高湿下や反応性雰囲気下といった箇所では劣化し，絶縁破壊が生じ易くなる。